遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書は必ず作る必要があります

 遺言書が存在する場合はそれに従い、相続財産を分割していくこととなりますが、遺言書がない場合には、相続人同士で協議し、相続財産を分割することになります。 その際に、すべての相続人の合意のもとで作成される文書のことを、「遺産分割協議書」といいます。

 遺産分割協議書は必ず書面にします。これは相続人全員が異議なく同意したことを証明し、後のトラブルを防ぐためです。
 これがなければ、配偶者の軽減措置が受けられない、預貯金の名義変更ができない、相続登記ができない、等、現実的な不利益をこうむります。必ず作る必要がある、という のは、そのためです。

【遺産分割の方法】
 遺産分割の方法には、以下のようなものがあります。

現物分割
 家は誰、車は誰、預貯金は誰、というように、ひとつひとつの財産をそれぞれの相続人が取得していく方法です。意見を調整するのに手間取ることもありますが、もっとも一般的に行われて いる方法です。

代償分割
 相続財産が分割できない不動産等の場合、相続人のうちの一人が相続分を超えて相続し、超えてしまった分を、その相続人が金銭で他の相続人に支払うというやりかたです。余計に相続した分を、 金銭で補う方法です。

代物分割
 代償分割とほとんど同じですが、金銭のかわりに、相続人の株式や不動産などの現物で支払うことによって、余計に相続した分の帳尻を合わせるやりかたです。

換価分割
 相続財産をすべて売却して現金にしてしまい、その現金を相続人間で分割する、という方法です。法定相続通りに分割したい場合に使われます。

共有分割
 不動産等のような分割できない場合に、相続人が共有という形で相続する方法です。後にトラブルとなることもありますので、よく意見を調整する必要があります。

【遺産分割協議をやり直したい場合】
遺産分割協議は契約と同じ扱いですので、一旦有効に成立したものを破棄してやり直すということは原則できません。
何度もやり直せるということにしてしまうと、いつまでたっても収拾がつかなくなってしまうからです。
協議後に、相手方が義務を果たさないような場合であっても、協議を解除することは認められません。
そのため、もしも相手方に債務不履行などの約束違反があるのならば、その相続人に対して履行するようにと要求するしかないのです。

ただし、共同相続人全員の合意によって、協議の全部又は一部の解除を行い、改めて協議をすることは可能です。また、協議からもれた財産があった場合には、従来の協議を有効としたままで、別の 協議として、もれていた財産の分割を行うことができます。

【遺産分割の前に預金を払い戻すことができるか】
基本的には自分の相続分については預金の払い戻しを請求できるというのが最近の判例の傾向です。
ただし実際の銀行では、相続人全員の印鑑証明書添付の承諾書や、遺産分割協議書がなければ預金の払い戻しをしてくれません。
相続の開始時には、色々お金がかかるものです。葬儀代、病院代など、結局相続人が自腹を切らなくてはいけなくなる場合が出てきます。
その負担がきついというときには、他の相続人と協議したうえで、預金を各自法定相続分で取得する旨の合意書を交わす交渉を進めつつ、 銀行に払い戻しを求めていくのが現実的な方策かと思われます。
各金融機関によって対応が異なりますので、まず、問い合わせてみることが必要です。

【遺体・遺骨は遺産分割の対象となるか】
遺体・遺骨は所有の対象となりますが、相続はされません。したがって、遺産分割の対象とはなりません。
誰の所有となるかといえば、お墓や仏壇などを守る人が遺骨も所有することとなります。

【香典は遺産分割の対象となるか】
判例によれば、香典は葬式費用にあてることを目的とし、葬儀主催者である喪主に対して贈与されたものとされます。

【営業権(のれん)は遺産分割の対象となるか】
個人営業していた場合の営業権は、相続の際には営業権の相続と考えずに、売掛金、営業用設備、営業上の借り入れ、買い掛けなど、個々の財産についての相続というように考えます。
遺産分割においては、営業を継ぐ相続人にすべてを相続させるという協議をするのが一番良いかと思われます。


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